体を回す運動は、全身のバランスを保つために重要です。回旋(かいせん)の運動とも呼ばれます。

 

体を回すための関節などの部位は、年齢を重ねると、硬くなりがちです。イルチブレインヨガの「円を描く」は、回旋の動きを引き出すストレッチです。なるべく体の反動を使わず、動く範囲いっぱいに関節を動かしましょう。

 

体を回す動きがなぜ効果的なのでしょうか。その大きな理由の一つは、私たちが普段、回すという行為をあまりしないからです。

 

かつて人間は、自然界の敵から身を守るため、様々な方向に体を動かす必要がありました。前後、左右、上下へと、曲げたり、傾けたり。まさに体を立体的に動かしていたのです。

 

しかし、文明の発展とともに、そうした複雑でダイナミックな動きは普段あまりしなくなりました。パソコンやスマホに向かってじっとした状態で指先だけを動かすといったような単調な動作が増えました。

 

イルチブレインヨガの「円を描く」では、肩、背中、腰を伸ばしながら回します。ひざもしっかり伸ばします。体の背面やわき腹、肩、骨盤まわり、太ももの裏など、様々な部位のストレッチになります。腹部の滞っている血液とエネルギーがよく流れるようになります。頭上で両手を組みながら行うことで、ストレッチ効果がより大きくなります。ゆったりとしたペースで行いましょう。

 

イルチブレインヨガの「円を描く」

1.足を肩幅に開き、両手を組んで手を上げ、手の甲を見る。

2.上体を左に倒しながら、右のほうに円を描くようにまわす。

3.2回繰り返す。右側も同様に行う。